毎日ブログを書ければいいけれど、なかなかうまくいかない。なんとなく気持ちが向かず「今日はいいや」と思ってしまうこともあれば、自分の書いている文章があまりにつまらないんじゃないか、こんなことを書いて意味があるのかとBADモードに入ってしまうこともあります。
けれど、最近読んだ3冊の本に、そんな自分の心に留めておきたいと思った言葉があったので紹介したい。文章や言葉のプロによる、「よし書こう」と思わせてくれる言葉たちです。
パク・ヘヨンの言葉で勇気づけられた【面白いと思えたことを書く】

(講師をつとめている講座の)脚本家志望生たちから『どうやって書いたらよいでしょうか』と尋ねられることがあるんです。私は『講義は面白かった?』と聞き返します。面白いと思えたのなら、その要素が自分の中にもあるということ。つまり自分の中にあるものを取り出せばいいのです。けっして特別なことではありません ーー『韓国ドラマを深く面白くする22人の脚本家たち 「梨泰院クラス」から「私の解放日誌」まで』ハンギョレ21、シネ21(クオン)
韓国の脚本家たちのインタビューを収録した『韓国ドラマを深く面白くする22人の脚本家たち 「梨泰院クラス」から「私の解放日誌」まで』から、脚本家パク・へヨンさんの言葉です。
パク・へヨンさんは、韓国ドラマ『マイ・ディア・ミスター〜私のおじさん〜』『私の解放日誌』の脚本家として知られる女性。2026年は、最新作『誰だって無価値な自分と闘っている』の配信がNetflixで始まりましたが、このドラマ、名台詞、名シーンの宝庫。「尋常じゃなくすごい!」と私は思っています。(先日こちらの記事でも書きました→韓国ドラマ『誰だって無価値な自分と闘っている』1話、2話が響きすぎて、脚本家パク・へヨンさんのインタビューを読み直してみた。)
そんなパク・へヨンさんが話す「面白いと思えたのなら、その要素が自分の中にもあるということ。つまり自分の中にあるものを取り出せばいい」という言葉。
脚本家の卵に向けた言葉ですが、文章を書く人、物をつくる人全般に当てはまりそうです。
ある意味で言っていることはとってもシンプルで当たり前にも思えます。「面白いと思ったことを書け」ということですよね。
ただ、当たり前であるがゆえに、この言葉を読んだとき、「そうか結局それしかないのか」というある種の発見と諦めが私の中に芽生えました。何を書けばいいんだろうと迷っても、結局、自分の書けることを書いてみるしかないんだよな、と。
ちなみに抜粋した言葉は、インタビューが始まる前のリード文として、以前パク・へヨンさんがこんなことを言っていた〜という流れで書かれています。この後にインタビュー本編が続きますが、彼女の作品への向き合い方が読み取れて非常に興味深い内容です。
ヘミングウェイの言葉で【知っていることを書いてみる】が確信に

とにかく、自分のよく知っている事柄一つにつき一つの短編を書いてみようと、あのホテルの部屋で私は決めた。書いているときにはいつもそのことを心がけていたのだが、それは有益で厳しい修行になったと思う。 ーー『移動祝祭日』ヘミングウェイ(新潮文庫)
『移動祝祭日』はアーネスト・ヘミングウェイが20代を過ごしたパリでの日々を書いた回想録です。まだ作家として駆け出しであった日々にパリでどのように文筆修行をしていたか、書くことにどう向き合っていたかが描かれるなかで、上記の文章が目に留まりました。
これ、前出のパク・へヨンさんの言葉となんとなく重なりませんか?
私は、こう捉えました。結局自分の知っていることを書くしかない。だから、とにかく書いてみろ、と。
ちょうどこのときも、「ブログって何を書けばいいんだろ?」と考えていたときだったので心にぶっ刺さったのかもしれません。
知っていることしか書けないし、書いてみないと始まらないのだから、とにかく修行のつもりで書いてみればいいじゃん、と思えたのです。だって、ヘミングウェイだってそうしていたんだから。
【金を稼ぐ、他者を動かす】。気持ちを引き締められる谷川俊太郎の言葉

金を稼げる詩を書くというのが一番のテーマでした。詩で金を稼ぐというのは一番難しいじゃないですか。だからマーケットとかをあたっていって、どんなところででも通用するものを書きたいと思っていました。(中略)お金によって社会とつながれるわけだから、お金って他者の証拠でしょう? 他者を動かすためにはお金がちゃんと出てこないとダメだと僕は思っていましたけどね。 ーー『原田マハ、アートの達人に会いにいく』原田マハ(新潮文庫) より対談での谷川俊太郎さんの言葉
知っているものをとにかくなんでも書いてみればいいじゃん、と思う一方で、「でも誰にも読んでもらえない文章を書いてどうするんだ?」という気持ちもあって。
そんなモヤモヤした気持ちが訪れるときに読むといいなと思ったのが、上記に抜粋した詩人の谷川俊太郎さんの言葉です。この言葉は、作家の原田マハさんと芸術に関わる人々との対談がまとめられた『原田マハ、アートの達人に会いにいく』で読むことができます。
詩人というと、「お金」の対極にいるようなイメージを持たれがちです。でも谷川俊太郎さんは若かりし日を振り返って「金を稼げる詩を書くというのが一番のテーマでした」「他者を動かすためにはお金がちゃんと出てこないとダメだと僕は思っていました」と語ります。
パク・へヨンさん、ヘミングウェイの言葉とはベクトルが違いますが、「そうだよね、それも大事だよね。よし頑張ろう」と別の方向から、「書こう」という私の気持ちを引き締めてくれる言葉です。
まとめ
面白いと思ったことを書く、知っていることを書く、そのなかでも自分勝手でなく他者を動かせる文章を書く。本の中の言葉に励まされながら、そんなふうにブログを書いていければいいなと思っています。
