Netflixで配信が始まった韓国ドラマ『誰だって無価値な自分と闘っている』。
脚本が『マイ・ディア・ミスター〜私のおじさん〜』『私の解放日誌』(こちらで感想書いています)を書いたパク・ヘヨンさんだと知って、とても楽しみにしていたのです。そして実際に見たら……
わぁ〜、すごい刺さる……。響く……。すごいよ……。
見ていてつらいなと思うところもあるんだけれど(恥ずかしい部分、辛い部分を突きつけられてる感じで…)、何よりセリフが素晴らしく、言葉にしたことのなかった自分の感情、日常生活の中では口にするのが躊躇われる感情、言語化しようともしなかった自分の感情を、代わりに言葉にしてくれていると感じます。「そう、そうだよ、それ思っていたんだよ」と。
そして2話までを見終わった時点で、心が癒やされているのを感じました(これは『私の解放日誌』でも得た感覚)。なんだかスッキリするというか。ふだんため込んでいて、自分ですら意識できてない言葉をすくい上げて外に出してくれる、人にぶつけてくれる。それゆえのスッキリ、なのかな。
「自爆したい感じ」(2話)、「不安じゃないこと」(2話)とか(詳細は実際に見てこの言葉を浴びてほしい)、うわぁ〜と。
あまりにもよくて、「そうだ!」と思い出して書棚から引っ張り出してきたのがこの本。

『韓国ドラマを深く面白くする22人の脚本家たち 「梨泰院クラス」から「私の解放日誌」まで』(ハンギョレ21・シネ21著、岡崎暢子翻訳 CUON)。
韓ドラの脚本家さんたちのインタビュー集です。
以前『私の解放日誌』を観たときに、「あまりにすごすぎる…」と思ってついつい買ってしまったのですよね。いろいろな脚本家の仕事への取り組み方や、作品についての解説なども読めて面白いです。300ページほどの本なのですが、パク・ヘヨンさんのインタビューも14ページにわたって掲載されています。
読み直してみて、改めてこの方は“感情”と向き合うことをとても大切にされているんだなと思いました。同書のインタビューから少し引用してみます。
自分の感情にしっかり向き合って見ると、一日の間にも感情がコロコロ入れ替わっているんです。そんな感情のなかから特に気になるものをキャッチします。特にネガティブな感情がこみ上げてきたときは、それがどの瞬間から生まれたものなのかを考えますね。
この後にさらにその方法が詳述されているのですが、脚本家ってこういうふうに意識的に感情を突き詰める作業をしていることで作品を生み出していくんだな、と感心させられます。『誰だって無価値な自分と闘っている』作中では、感情を言葉に表してくれる感情ウォッチの存在が1つの仕掛けのようになっていますが、脚本家の普段のこういう思考が反映されているんだろうなと思ったり。
続きも楽しみだな〜。なんだかちょっとファンタジー要素?みたいなところもあって、そのあたりがどう効いてくるのかも気になっております。
