最近、Xで「『愛の不時着』ほど面白い作品に出会わない」という内容の投稿を見かけました。そこで、私が韓国ドラマをいろいろ見てきたなかで「『愛の不時着』よりも面白い!」と思ったおすすめの作品を紹介します。
『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』

『トッケビ』を見て以来、世界で一番かっこいい俳優はコン・ユだと思っています。
トッケビとは、日本でいう鬼のような、神のような、妖怪のようなもの。福をもたらしたり、いたずらをする存在として韓国では伝承されているみたいですね。
そのトッケビ役を、コン・ユが演じているのです。
韓国で2016年〜2017年にかけて放送され大ヒットとなった本作。百想芸術大賞など韓国で多くの賞も受賞しています。
内容は、古い時代から永遠の命を生きてきたトッケビが、現代の女子高生ウンタクと出会って……というファンタジーロマンス。ファンタジーロマンスといってしまうと、甘々な感じに思われるかもしれませんが、トッケビにも、女子高生ウンタクにもつらい背景が。胸を締めつけられるような展開も多く、涙なくしては見られません。そんななかで、もちろん胸キュンあり、キャラクターたちの微笑ましいやりとりもあり。
映像も美しく、カナダでのシーンや、時代劇シーンもあり、いろいろな要素が詰め込まれた華やかなドラマです。音楽も素敵なんですよね。
コン・ユだけでなく、死神役のイ・ドンウクもかっこいい&おもしろくて……。登場人物たちそれぞれがとても魅力的なんです。
ウンタクを演じるキム・ゴウンが、トッケビを「アジョシ(おじさん)」と呼ぶのもかわいくて。おかげで「アジョシ」という言葉覚えました。
2025年4月現在、HuluのYoutubeサイトで1話を無料配信していますね。まずは1話だけでも見てほしい!
2025年4月現在は、 AmazonPrime、Hulu、ABEMAなどの配信サイトで配信されています。
『賢い医師生活』
『愛の不時着』はスケールの大きな世界観のドラマでしたよね。今回紹介するなかでその世界観にいちばん近いのは前出の『トッケビ』かもしれません。
一方で、次に紹介したい『賢い医師生活』はまったく方向性の違う、より現実的な世界の物語。しみじみとしたよさがある作品です。
2020年に韓国で大ヒットした作品で、いわゆる医療モノ。大学の同期である男女5人、40歳の医師たちと、彼らを取り巻く人々の日常を描く群像劇です。
この作品を見るとね、なんというかとっても優しい〜気持ちになれます。悪い人が(ほとんど)出てこない。みんな一生懸命に誠実に生きてるんです。
主役の5人の40歳という年齢設定もとてもいいんですよね。40歳って、仕事だと1人前の年齢。若い頃に苦しんできた背景があるから、後輩たちにもアドバイスができる余裕があって。5人とも技術が高い優秀な医師なんですが、誠実に仕事に向き合っていて、他者に対する思いやりもある。
「うわ〜こんな日常を送りたい」「こんなふうに仕事に向き合いたい」と思わせてくれます。
私はこのドラマを仕事をするときのBGM的に流していることがよくあります。あらすじを楽しむよりも、登場人物たちの空気感を楽しむドラマ、というか。
そして病院という生死が関わる場での物語である以上、やっぱり涙なくしてみられないシーンもたくさん。さらに笑いあり、それぞれの恋模様ありと、心に響く場面が多いのです。
シーズン2(2021年放送)があって、長くその世界に浸れるのも嬉しいところ。
さらに、2025年4月からはスピンオフドラマである『いつかは賢いレジデント生活』もNetflixで配信がスタートしています。こちらに『賢い医師生活』のキャストたちもゲスト出演するということでファンにとってはたまりません!
『私の解放日誌』
『私の解放日誌』も日常を描くドラマといっていいでしょう。ただ『賢い医師生活』が理想的な日常だとすれば、『私の解放日誌』はよりリアルな日常。つらいことが多くぱっとしない日々からどう抜け出すか、といったテーマが描かれている作品です。
2022年に韓国で放送された本作。ソウル郊外に暮らし、代わり映えのしない毎日から抜け出したいと願う3きょうだいと、彼らの前に現れた無口で無気力な男が織りなすストーリーです。
3きょうだいが感じている、仕事や恋愛、人生全般において真面目に生きているのにうまくいかない閉塞感、どうしようもなさ。胸に突きつけられるリアルさで、共感する人が多いのではないかなと思います。自分と同じ痛みを抱えている人がこの世の中にはいるとドラマを見ることで思えて、救われることってありますよね。
30代、40代くらいの独身の人に特に響くドラマなのでは?と思っています。
ちなみにこのドラマも泣きました(笑)。号泣。
日本の作品でいうと、坂元裕二さん脚本作品に近いのかなと思いました。些細なようにも見える静かなもやもやを描いているというか。
3きょうだいの末っ子は、『涙の女王』が大ヒットしたキム・ジウォン。本作では、大富豪を演じた『涙の女王』とは真逆の、地味なOLを演じていますが、彼女の演技が本当に素晴らしい。低い声がまたいいんだよなぁ。
『私の解放日誌』はNetflixで視聴可能です。
サムネイル写真/Ravi Sharma(Unsplash)