「三日坊主でいいじゃん!」を再確認させてくれた岡本太郎の言葉

三日坊主な性格であることにずっと負い目を感じてきました。が、ここ数年で「三日坊主でいいじゃん!」というマインドに変化してきた気がします。岡本太郎の名著にも三日坊主を推奨する言葉を見つけました。

成功するためには努力や継続が必要だと知っているけれど

誰しもそういう部分ってあるんじゃないかなと思うんですが、1つのことに突出した天才に憧れてきました。藤井聡太とか、大谷翔平とか。そのほかありとあらゆる偉人たち。
そういう人の何がいいって、自分のやっていることに集中していてひたすらに打ち込んでいるところ。「僕には努力の才能があっただけですよ」とか、そういうやつ。

天才と呼ばれるくらい突出した成果を残す人ってすごい量をこなす、というのもよく聞く話です。「継続力が大事です」、とかそういうやつ。
そういう天才たちのいろいろな逸話をみてきて、私も、何かをやり続けて、何かで花咲きたいって心の底では思ってきたんですが……。アラフォーになった今、何も花咲きませんでした……!びっくり。悲しい!

三日坊主な自分に嫌気がさしていた

そもそも私は「継続」、得意じゃありません。毎日コツコツ、ほんとに無理です。完全なる三日坊主タイプなのです。夏休みの宿題とか、最初のうちはちゃんとやるんですが、途中で中だるみ。それで最後のほうに半泣きでやるタイプです。
ダイエットも始めてからまともに続いたことってないし、毎日書くぞと張り切った日記帳も空白だらけで飛び飛びだし。
そんな自分がめちゃくちゃ嫌でした。なんで私はきちんとできないんだろう、っていつも自分を情けなく思ってきたような気がします。

そうかといってよくよく思い返してみれば、続いたものがないわけでもないわけで。例えば、数年前まで勤めていた会社には10年以上は勤めました(一生同じ会社に勤める人が多いことを考えると、それは続いているといえるのか?という意見もあるかもしれませんが…)。
でも、一生懸命に働き続けてきたつもりではあるんだけれど、なんだろう? 継続してきたのに、なんかパッとしねぇなって(笑)。

そういったことをトータルして、アラフォーのいま考えると、「継続して頑張れば必ずしもうまくいく」わけではないんだから、三日坊主でいいんじゃね?と。そう思うようになってきたんです。

「三日坊主でいいんだ!」と思わせてくれた3つのこと

さらに、三日坊主を肯定できるようになってきたのには、自分の経験だけではなく、本などで見かけた知識や考え方の影響もあります。

①脳科学的に見ると、三日坊主は当たり前らしい

仕事の関係で脳科学関係の本(専門書でなく一般向けのものです)を集中的に読むことがありました。
それで知ったのですが、人間の脳はそもそも飽きやすくて三日坊主になるのは当たり前らしいんです。
それを知ると、そっか、私が悪いんじゃなくて脳がそういうものだったんだ、と思えますよね。

②新規探索性が強い人は興味があるときに一気にやってしまうのがいい

これも脳科学の本で得た知識なのですが、新しいものが好きな性質を新規探索性というようです。下記の本を読みました(2012年で新しくはないのですが)。

『「しなやか脳」でストレスを消す技術』篠原菊紀(幻冬舎)

新規探索性が強い人は、新しい刺激を追い求め続ける。こういう性質は遺伝的なものの影響も大きいそうで。そしてこういう人は、新鮮味を感じて興味があるうちにガッとやってしまうのがいい、と。
そんなことが書かれていて、読んだときに、これだ!と思いました。このやり方でやってみよう、と。
コツコツできない、目移りする人間だと自分のことを理解して、「鉄は熱いうちに打て」という姿勢でやってみるのが自分に向いているんじゃないかと思ったんです。

③岡本太郎の名著にも、三日坊主を推奨する言葉を見つけた

そんなことを考えていた時期に、たまたま岡本太郎の『自分の中に毒を持て』を再読しました。

この本は座右の書として挙げる人も多い名著。私も20歳ごろに読んで、そのパワフルな言葉に勇気づけられた一人です。そんな本を久々に読み直してみて、こんな一節があったことに気がつきました。

何かをはじめても、続かないんじゃないか、三日坊主に終わってしまうんじゃないか、なんて余計な心配はしなくていい。気まぐれでも、何でもかまわない。ふと惹かれるものがあったら、計画性を考えないで、パッと、何でもいいから、自分のやりたいことに手を出してみるといい。 (岡本太郎『自分の中に毒を持て』より)

おお、岡本太郎、三日坊主について語ってるじゃん! と。そして、こう続きます。

それでもしだめならーーつまり続かなかったら続かなかったでいいんだ。いいと思うべきだ。 (岡本太郎『自分の中に毒を持て』より)

なんて励まされるんでしょうか。さらにはこんな言葉まで。

ぼくは、昔から三日坊主でかまわない、その瞬間にすべてを賭けろ、という主義なんだ。だから、三日坊主になるという〝計画〟をもったっていいと思う。 (岡本太郎『自分の中に毒を持て』より)

いまの私が考えてるまんまじゃん!と。不思議なもので20歳のときに読んだときよりも、経験を重ねたいまのほうがこの言葉がより響きます。それでいいんだよ、と背中を押されている気分になりました。

積極的に三日坊主な人生を楽しむ

もうこうなったら積極的に三日坊主を楽しむ人生を送ってやろう。最近ではそんな気持ちになっています。何かを極めた人、何かを成し遂げた人にはなれなくても、興味が向いたほうに歩いて行って、そこで一瞬でもいいから一生懸命やってみる。それがアラフォーのいま、考えていることです。


写真(サムネイル)/Sincerely Media(Unsplash)

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